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コラム 9か月前

ブラジルサッカー界に大きな変化? スター選手の帰還に多国籍化。急激にグローバル化が進む国内リーグの現状と未来【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

スター選手大集結のきっかけは?

 急速にグローバル化が進むキッカケとなったのが、2020年に世界中を襲った新型コロナウイルスの蔓延である。

 世界のトップリーグに所属するほとんどのクラブが「法人(企業)」として経営しているが、それまでのブラジル・セリエAに所属するクラブは、税金が免除される「非営利団体」の「民間協会」として運営されていた。すなわち、オーナーとなる企業や投資家がおらず、ファンらで成り立つ会員によって選出された会長が統率する形でクラブを運営していたのだ。

 クラブ運営が「ビジネス」ではなかった事から観客を入れることができなかったコロナ禍のダメージが絶大で、ほとんどのクラブが極度の財政難に。この緊急事態を受けて2021年に法律が改正され、ブラジルのクラブは株式の90%を上限に世界中の企業や投資家に売却することが可能となった。

 この方針の転換の影響を最も受けたのが、かつて元日本代表MF本田圭佑が所属していたことでも知られるボタフォゴだろう。

 2022年にクリスタル・パレスやオリンピック・リヨンのオーナーを務めるジョン・テクスター氏がクラブの株式を90%取得して経営権を獲得すると、2024年にはコパ・リベルタドーレスを初制覇。国内リーグとの2冠を達成した。

 ボタフォゴの大成功を受けて、今後ヨーロッパクラブの経営経験のある人物による買収がさらに増えると見込まれている。

 現在はバイーアの経営権をシティ・グループが持っているほか、チェルシーのオーナーであるトッド・ボーリーがサントスの、ノッティンガム・フォレストのオーナーであるエヴァンゲロス・マリナキスがヴァスコ・ダ・ガマの買収に乗り出していると報じられている。

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