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コラム 8か月前

日本人選手への影響は? サウサンプトンの“大崩壊”が起きた深い理由。歴史的低迷の予兆は最初からあった【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

明らかに失敗…。後任監督に「?」

ユリッチ
【写真:Getty Images】

 マーティンの後任としてクラブに招かれたのが、昨年11月にローマの監督を解任されたばかりのイヴァン・ユリッチだった。

 彼はジェノア、インテル、パレルモの3クラブで現アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督のアシスタントを務めており、完全に同氏の系譜を受け継いでいる。

 すなわち、ベースとなる戦術は「マンツーマン」であり、自分たちでボールを保持して敵陣に攻め込むマーティンとは、戦い方のスタイルが正反対に近い。

 現在のアタランタのような質の高い「マンツーマン」を成立させるためには、何年もかけてトレーニングから高い強度でフィジカル能力を高めなければならない。そういった土台を必要とする戦術が、シーズン途中の就任で浸透するはずがないだろう。

 相手より質が下回る分、マンツーマンにおける優位性を逆手に取られて失点が増加。マーティン体制では17試合で36失点だったのが、ユリッチ体制では14試合で38失点と悪化した。

 なぜ、こうした前任までの積み上げがほとんど機能しないような一貫性のない監督人事に至ってしまったのか。ユリッチも降格決定後に解任となり、サイモン・ラスク暫定監督が率いる現在のチームには何も残されていない。

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