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コラム 7か月前

栄光の時代から暗黒期へ。レスター・シティの“深刻な弱体化”はなぜ起きた。サイクルを狂わせた人物とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

選手の売り時を誤った先にあったのは…

 続く2022/23シーズンからは財政状況が極度に悪化し、高額な給与を受け取っていた守護神カスパー・シュマイケルを8月上旬に売却。移籍市場最終盤にはウェズレイ・フォファナをチェルシーに放出したが、それでもプレミアリーグのPSR(収益と持続可能性に関する規則)に違反するほど、財政が逼迫していた。

 降格した直後の移籍市場で契約満了を迎えた選手が多かったことが、選手の売り時を逃したことを象徴している。2023年夏だけでティーレマンス、チャグラル・ソユンジュ、アジョセ・ペレス、ダニエル・アマーティ、ナンパリンス・メンディ、ジョニー・エバンスがフリーでチームを去った。

 30歳を過ぎたベテランのフリーでの放出は仕方ない部分もあるが、26歳から29歳にかけての脂がのった選手を0円で放出するのはあまりに勿体ない。翌夏にもデニス・プラートとケレチ・イヘアナチョがフリーで退団した。

 CL出場というより大きな目標を目指すあまり、これまでチームを強化してきた方法を無視してしまった結果の2部降格だった。

 不可解な契約延長の例もある。昨夏にヤニク・ヴェスターゴーアと2027年夏までの新契約を結んだが、今年3月以降は「戦術と技術的な理由」で構想外に。現在もメンバー外が続いている。

 判断の悪さが目立つのは選手に関わる問題だけではない。監督人事はより顕著だと言えるだろう。

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