監督交代で失敗した理由
リーグ優勝に導いたラニエリと2016年夏に2020年夏までの新契約を結んだが、半年後の2017年2月に解任。後任のクレイグ・シェイクスピアとは、2017年夏に3年契約を結んだが、こちらも長続きせずに10月に解任となった。
クラブは監督を解任する際に、双方の合意で契約を破棄しない限りは、契約満了までに支払う予定の年俸を全額or何割、もしくは保証金に該当する契約解除金を支払う義務がある。レスターはラニエリにもシェイクスピアを解任した際に高額なお金を支払っている。
この契約解除金が高額過ぎるゆえに、解任に時間を要したのが2022/23シーズンのロジャーズである。先述した通り、選手の新陳代謝が悪くなった影響もあってマンネリ化が見られると、開幕から8試合未勝利(1分7敗)という最悪のスタートを切った。
しかし、財政難の状況で1000万ポンド(約14億円)を超える契約解除金を支払うことは難しく、最終的に解任するのが翌年4月まで先延ばしとなってしまった。
最終的にレスターとロジャーズの間で契約解除金の大半をカットすることで監督交代を決断したものの、最終的には勝ち点「2」が足りずに降格が決定。後任のディーン・スミスはロジャーズの平均勝ち点「0.89」を上回る「1.13」を記録しており、1ヶ月でも早く監督を代えていれば残留の未来もあったかもしれない。
また、現在指揮を執っているファン・ニステルローイも財政難の影響で解任することができない。『Sky Sports』のロブ・ドーセット記者によると、同監督との契約にある退職金を支払った場合にプレミアリーグのPSRを遵守することができない恐れがあるそうだ。