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コラム 7か月前

ボールを奪った瞬間、どう動くべきか。ドイツ2部クラブがレヴァークーゼン相手に見せた効果的な形【BoS理論(4)】

シリーズ:コラム text by 河岸貴 photo by Getty Images

落ち着くのではなく、慌てるべき

 これまで全国各地でさまざまな年代に「Ballgewinnspiel」(バルゲヴィンシュピール:ボールを奪うプレー)を指導する機会がありました。時間的な制約から根本的なことだけしか伝えることができませんでしたが、その後のフィードバックとして、「ボールはかなり奪えるようになりました。ただその後の攻撃が…」とよく言われました。

 実際に、どのようにボールを奪えているのかピッチ上で見ていないので何とも言えないのですが、前記したように、どこでどう奪うのか、理想型のボール奪取の理解、または1回目で説明した攻撃の優先順位の理解が徹底されていないことは十分考えられます。

 そこで今回はボールを奪った瞬間のプレーについて説明していきたいと思います。

1 「Erster Blick in die Tief」(エアスター・ブリック・イン・ディ・ティーフ)―最初に前方を見る―

 1回目でもこのキーワードの重要性は述べましたが、ボールを奪った直後は攻撃に出ていた相手の守備陣形が整っていないことは多々あり、したがってゴールに迫る大きなチャンスの瞬間です。

 このプレーの理解が乏しいと、時間を無駄に使ってしまい、その瞬間を突く効果的なゴールを奪うことは難しいでしょう。日本のサッカーを見ていると、そこで落ち着くのではなく、慌てる(素速く攻める)べきと思うのはこの場面がほとんどです。

 ボールを奪ったら、前方、最前線にいる選手を見る。この典型的な例は2024/25シーズンのドイツ・DFBポカール準々決勝、レヴァークーゼン対ケルンにありました。

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