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コラム 7か月前

ボールを奪った瞬間、どう動くべきか。ドイツ2部クラブがレヴァークーゼン相手に見せた効果的な形【BoS理論(4)】

シリーズ:コラム text by 河岸貴 photo by Getty Images

モダンサッカーにおける良い選手の条件

図1
【図1】ボール奪取から一気に最前線へ

 ブンデスリーガ2部のケルンは23/24シーズンのブンデスリーガ王者に対して、11人がコンパクトで強固な陣形を自陣深くに形成します。

 15分、ケルンの2トップの一人、リントン・マイナがワンサイドカットしながらプレスをかけると、レヴァークーゼンのDFエドモン・タプソバの縦パスがズレます。そのプレゼントパスをケルンのDFティモ・ヒューバースが難なく2タッチで素速く前線のマイナにロングフィード。マイナはそのパスを1タッチで処理しペナルティエリアに侵入、その後を猛然と追いかけてきたもう一人のFWダミオン・ダウンズに折り返します。

 ダウンズはそれをダイレクトでシュート。残念ながらゴールにはなりませんでしたが、シュートまでのボールタッチ数も少なく、効果的なロングカウンターでした(図1)。

 このシーンでも分かるように、ボールサイドでの数的優位で、「Deckungsschatten」が増大し、相手にとって空間的な圧が生成され、さらにマイナのコースを限定したプレスからタプソバのパスミスを誘発しました。

 この後の重要な点は最前線の選手の動き出しです。ここではマイナは自身のプレスから間髪入れずに背後へ飛び出すというプレーの連続性で一気にゴールへ迫りました。

 ちなみに目まぐるしく状況が変わるモダンサッカーにおいて、その都度に応じたプレーを連続してできる選手が良い選手であるひとつの条件とも言えます。これは幼少期から意識してトレーニングすべきでしょう。

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