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コラム 7か月前

物議を醸すアレクサンダー=アーノルドの退団劇。リバプールとレアル・マドリードの間にある根深い因縁【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

“憧れ”のジェラードとは違うキャリアに

ジェラード
【写真:Getty Images】

 レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長は、今季からプレーするキリアン・エンバペを含め、これまで数々の大物選手を口説いてきた。数々の取引を成功させてきた彼の誘いに応じなかったのが、リバプール史上最高の選手と呼び声高いジェラードである。

 彼は昨年7月にサウジアラビア『MBC』のYouTubeに出演した際にも「レアル・マドリードとチェルシーからオファーがあったが、私の心は常にリバプールにあった。その決断を後悔したことは一度もない。もし過去に戻っても同じことをするだろう」と、改めてリバプールへの忠誠心を語っている。

 アレクサンダー=アーノルドは、ジェラードの背中を見て育った生粋のKOPだ。アカデミー時代まではレジェンドと同じく中盤の選手であり、右足のキックが最大の武器である点も似ている。

 彼は度々メディアのインタビューで「ずっと彼のようになりたいと思っていた」と、幼少期からのアイドルだった“キャプテン”への憧れを口にしており、「リバプールのキャプテンを務めることが僕の夢だ。この夢が叶うかどうかはわからないけど、いつの日かそのようになる時が来ると願っている」と、クラブの象徴になることが目標だったと明かしている。

「ジェラードへの憧れ」と「リバプールのキャプテンになりたい」の発言に、リバプールのサポーターは心を掴まれたはずだ。この2つのコメントが意味することは、クラブにキャリアを捧げることと同義に近い。

 しかし、背番号66はジェラードとは異なる道を歩むことを決断した。

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