相手のゲーゲンプレスが発動したときの前進方法
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ボールロストしたレヴァークーゼンは当然ゲーゲンプレスを発動し、プレッシャーのかかったフセインバシッチは無理をせずに2タッチで正確に前向きのヒューバースに落とします。それをヒューバースがゲーゲンプレスを掻い潜るダイレクトの優しいロブのボールを前方へ動き出していたFWダウンズに送ります(図2-2)。
技ありの浮き玉処理でボールを落ち着かせたダウンズはセンターライン付近からオフサイドギリギリにラインブレイクしたマイナに鋭いグラウンダーの縦へのパスを通します(図2-3)。これで一気にペナルティエリア角付近まできたマイナは何とか戻ってきたレヴァークーゼンのDFノルディ・ムキエレをペナルティエリア内でかわし、落ち着いてゴールに流し込みました。
当然ながら、先制点を奪ったダウンズ、マイナの右サイドからペナルティエリア内に侵入してのフィニッシュワークの追加点は素晴らしいものです。この2トップの縦への意識、その反応の速さ、そして得点力は特筆すべきでしょう。
しかし、ここではボール奪取後、状況的に一気に最前線までボールを送れなかったけれども、必要最小限のボールタッチ数でできるだけ速く相手ゴール前までボールを運んだことに焦点を当てます。
このシーンでもボールサイドで数的優位をつくりだし、相手の技術的ミスを誘発し、それを逃さずスライディングパス。ボールサイドの数的優位はボール非保持時ではボール保持者に空間的なストレスを与えてミスを誘発させるとともに、ボール奪取後にはボール保持側になっても数的優位で状況を楽にしてくれます。
この場合のように、ゲーゲンプレスを受けて一気に最前線へが難しい状況では、何がなんでも前へではなく、数的優位を利用し、ショートパスで無理せず正確にボールを繋ぎ、前方へのプレーの下準備をつくるという発想が大事です。
では、ボール奪取後のキーワード、「Erster Blick in die Tief」を簡単にまとめます。