プレーオフ決勝で敗れると、待っているのは沼?
直近の10試合(今季を含まない)において、プレーオフ決勝で敗れたチームの中で、後に昇格に成功したのは4チーム。その全てが翌シーズンの昇格であり、次のシーズンに失敗すると、さらにチャンピオンシップの沼にハマる傾向にある。
一度ハマってしまった沼を抜け出すのは難しい。リーズ・ユナイテッドやノッティンガム・フォレストのようなビッグクラブもプレミアリーグ復帰を果たすのに、それぞれ17年と24年という長い月日を費やした。
残酷なことに、決勝で敗れて以降に昇格できなかった6チームのうち、シェフィールド・ウェンズデイ、レディング、ダービー・カウンティ、ハダースフィールド・タウンは数シーズン以内にリーグ1(イングランド3部相当)への降格を経験した。
この現実がプレーオフ決勝の重みを表している。
プレーオフ決勝で敗れたチームが苦戦する傾向にある理由は、昇格に向けてリスクを懸けた補強を行っていることが大半であるからだ。
プレミアリーグから降格した直後のチームが最も戦力を保有している確率が高い中で、それ以外のチームが昇格を目指すためには、ある程度のリスクを冒さなければ挑戦権を得ることすら難しい。
その代表例がダービーだろう。2015年に地元出身の実業家であるメル・モリスがオーナーに就任すると、最初の3年間で4度のクラブ記録を更新する大型補強を敢行。ダービーの歴代移籍金ランキングの上位7人が彼の体制におけるものであり、昇格に向けてかなりのリスクを冒した。
その効果が実ってか、プレーオフに3度進出することに成功。しかし、準決勝で2度、2018/19シーズンの決勝ではアストン・ヴィラに敗れてしまい、いずれのチャンスも掴めないまま、昇格という目標を達成することができなかった。
そのしわ寄せが2021/22シーズンに重くのしかかる。