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元イタリア代表FWフィリッポ・インザーギ監督率いるピサが、34年ぶりのセリエA昇格を果たした。かつて財政破綻があるなど、冬の時代を経験したクラブは、いかにしてトップカテゴリーに戻ってきたのか。その歩みと歴史を、振り返っていく。(文:佐藤徳和)
ピサが34年ぶりのセリエA昇格
「おそらく、私のキャリアにおいて、最も美しい敗戦だ」
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5月4日のセリエB第37節、敵地で8位バーリと戦い、0-1と敗北を喫した試合後、ピサの指揮官、フィリッポ・インザーギはこう語った。3位のスペツィアが、16位レッジャーナに1-2と敗れたことで、ピサとの勝ち点差が「9」と開き、2試合を残して(第34節はフランシスコ教皇の死去のため5月13日に延期)、ピサの2位が確定。34年ぶりのセリエA復帰が決まった。
セリエBの23/24シーズンを13位で終えたピサは昨年7月3日、インザーギを新監督に招へいし、2年契約を締結。就任会見では、ジュゼッペ・コッラード会長の息子で、ゼネラルマネージャーを務める35歳のジョヴァンニ、スポーツディクレターに就任したばかりの40歳、ダヴィデ・ヴァイラらと共に出席した。
51歳のピッポは「電話が全くかかってこなくてね。自分の携帯が壊れているのかと思ったよ」と笑いを取ると、「3年間ずっとピサに来たいと思っていた。組織面や情熱という部分でも、自分にとってふさわしい場所だとずっと思っていた」と述べ、“相思相愛”の中での指揮官就任であると強調した。
さらに「ピサに来たいと思ったのは私自身だ。目標は、ユニフォームを大切に思い、この偉大なクラブに所属していることを誇りに感じる、強いチームを作ることだ。セリエBでは贅沢ともいえるクラブ。ここでの私の道のりが長く続くことを願っている」と決意を口にしている。
今季、ピサのスカッドの市場評価額(transfermarkt調べ)は、9270万ユーロ(約148億円)で1位のサッスオーロに次ぐ、5765万ユーロ(約92.2億円)。インザーギは会見でセリエA昇格には言及しなかったものの、当然そこを視野に入れていたはずだ。