MF:パブロ・トーレ(スペイン)

【写真:Getty Images】
生年月日:2003年4月3日
24/25リーグ戦成績:10試合3得点1アシスト
かつて“ラシンの至宝”と称された男が、バルセロナでもがき苦しんでいる。非凡な能力を持ちながら、パブロ・トーレは2024/25シーズンのラ・リーガを「出場時間308分」で終えている。
地元クラブのラシン・サンタンデールで育成を受けたトーレは、すぐさまビッグクラブの注目の的となった。バルセロナは、宿敵レアル・マドリードとの争奪戦を制し、2022年3月にトーレを獲得。Bチームにあたるバルセロナ・アトレティックでプレーさせ、クラブ哲学を仕込んでいった。
2022/23シーズンにはトップチームデビュー。“クレ”(バルセロナファンの愛称)の中には、他クラブからの加入組ながら誰よりも「バルセロナらしい選手」であるペドリの姿を重ねた者も多かっただろう。
しかし、今季のフリック・バルサでトーレに出番が回ってくることはほとんどなかった。前述したように、ラ・リーガの総出場時間は308分、分母を公式戦に広げてもわずか421分という寂しい数字にとどまっている。
最も、トーレの主戦場である中盤にはペドリ、ガビ、フレンキー・デ・ヨング、ダニ・オルモ、フェルミン・ロペスらがひしめき合っている。トーレほどの才能の持ち主でさえも埋もれてしまう、まさに最激戦区なのだ。
現在、トーレは22歳。ベンチで体を冷やし続けるには些か若すぎる。2023/24シーズンにジローナへとローン移籍させたように、クラブがトーレに武者修行を命じる可能性は十分にある。将来性がある選手なだけに、バルセロナが完全移籍での放出を許可することはなさそうだ。