2位：アーセナル

【写真：Getty Images】

24/25リーグ戦成績：20勝14分4敗（勝ち点74）
開幕前予想順位：1位

　開幕前に1位と予想をしていたアーセナルが2位でのフィニッシュを果たした。

　これで3シーズン続けての2位フィニッシュとなったわけだが、同じ順位であっても昨シーズンとは大きく異なる。今季は優勝争いに加わることができないままの2位であり、勝ち点の比較では昨季から15ポイントのマイナスとなった。

　UEFAチャンピオンズリーグ（CL）ではベスト4まで駒を進めた一方で、今季もタイトルはゼロ。その理由の1つにはミケル・アルテタ監督のシーズンの戦い方に問題があるだろう。主力を固定化して戦う方法は、維持することができれば常に結果を出せる一方で、誰かが負傷離脱してしまうと一気に崩れる。

　今季は勤続疲労の影響もあり、FWブカヨ・サカやFWカイ・ハフェルツ、DFガブリエウ・マガリャンイスのような稼働率の高さに定評のある選手たちも戦列を離れた時期があった。その結果、要所での取りこぼしが目立った。実際に引き分け数「14」はリーグ2位の数字。昨季はドローが5試合しかなかったことを踏まえると、勝ち切れないゲームが多かった。

　その一方でポジティブな点もあった。リーグ最少失点に留めた安定した守備陣に加えて、主力が怪我をしたことで新たな戦力の台頭が目立っている。18歳のDFマイルズ・ルイス＝スケリーの覚醒は、左SBが相次いで怪我をしなければあり得なかったことで、MFミケル・メリーノのストライカー起用も、来季以降に向けてはオプションの一つとして残り続けるだろう。

　こうした“怪我の功名”とも言える新たな起用法を“糧”にすることができるかがアーセナルの命運を分けるだろう。来季の戦いに好影響を与えてタイトル獲得となれば、現時点では失敗の今季も「成功のシーズン」に変えられるかもしれない。