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コラム 5か月前

快進撃の準備は整った。ローマに集った最強幹部たち。“魅力的だが挑発的な街”で生き残るための盤石体制への期待【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

ロマニスタたちがどれほど辛抱できるかという点が不安材料だ

「国際的な舞台でも証明してきたあらゆるものを携えてローマにやって来る。というのも、彼のアタランタは、そのアイデアと同様にひとつの“指標”となってきたからだ。ローマはベルガモとは違うということを彼はよく分かっている。そして、“魅力的だが挑発的な”このローマの街の環境には、彼自身が備え、そして引き出すべき内面的な落ち着きが必要だということを」

 ガスペリーニを語る際に常に話題となるのが、その気性の激しさだ。かつてはパプ・ゴメスと激しい口論に発展し、退団に追い込んだ過去がある。24/25シーズンにも、アデモラ・ルックマンとPK失敗を巡って意見が対立した。そしてもう一つ、インテルを率いた11/12シーズンも、ガスペリーニにとって消し去ることのできない“汚点”として語り継がれている。

 ミランとのスーペル・コッパに1-2と敗れ、初戦から3試合を終えて(開幕節は選手のストライキにより12月に延期)、1分け2敗とスタートダッシュに失敗。昇格組のノヴァーラに敵地で1-3と敗れたことで、マッシモ・モラッティ会長によって解任された。そして、この時、ガスペリーニの後を継いだのが、奇しくもラニエリだった。

 しかし、この時は“修理工”の異名をとるラニエリでさえも、チームを立て直すことはできず。第29節でユーヴェに0-2で敗れると、ラニエリは解任。後任は、ローマやインテルの下部組織で優秀な成績を収めていたローマ人で当時36歳のアンドレア・ストラマッチョーニが大抜擢されているが、このシーズンは6位と不本意な結果に終わった。

 ガスペリーニの代名詞である3バックとマンツーマンの守備をベースとし、両サイドからの攻撃を軸とするスタイルは、チームに浸透するまで時間を要する。それゆえ、仮にシーズン序盤に結果が出なかった場合、ロマニスタたちがどれほど辛抱できるかという点が不安材料だ。24/25シーズンのダニエレ・デ・ロッシのように、開幕直後にダン・フリードキン会長が自らの判断で解任に踏み切るという事態も、決してあり得ない話ではない。

 そんな状況で、仲介役を務めるのが、アドバイザーのラニエリだ。

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