まずはカルチョメルカートの動きに期待だ
マッサーラは、トリノ市の生まれである。トリノ大都市圏のグルリアスコ出身のガスペリーニとは同じピエモンテ人。ローマの環境に馴染みのないガスペリーニにとって、同郷の人間がいることは心強い。母親の出身により、イタリア語と同様にフランス語を自在に操るほか、英語、スペイン語、ドイツ語も話せ、思慮深い人物である。喧騒の地、ローマでもしっかりと冷静にクラブにとって最良の選択を下せるはずだ。
ラニエリ、ガスペリーニ、マッサーラと最強幹部の陣容がここに整った。そして、これからは、シーズン開幕に向けての補強が本格的に始まる。
サイドMFにはフラメンゴのウェズレイ・フランカが候補に挙がっている。今年3月にブラジル代表でデビューを飾った成長著しい21歳だ。アルノー・カリムエンド=ムインガは、マッサーラがSDを務めたスタッド・レンヌに所属する23歳。24/25シーズンは、リーグ・アンで17ゴールをマークし、ビッグクラブの注目の的となっている。
FWは、アタランタの26歳、ジャンルカ・スカマッカに熱視線が注がれている。右大腿部の損傷により戦列を離脱していたが、新シーズンのキャンプには間に合う見通しだ。ローマの下部組織出身で、2023年夏にもローマ入りが取り沙汰された。ガスペリーニのスタイルをよく知るだけに、恩師との再会が待ち望まれる。
そして、ガスペリーニの教え子で、ミランでスクデットを経験したフランク・ケシエもローマ入りが噂されている。現在はサウジアラビアのアル・アハリでプレーしており、こちらは、自らローマに“逆オファー”を行ったようだ。28歳という年齢に加え、欧州トップリーグを離れてプレーしていることは懸念材料であり、さらに、コートジボワール代表として12月21日から開幕するアフリカネイションズカップに招集されれば、チームを長期間離れるリスクもあると指摘されている。
今季のカルチョメルカートは7月1日から9月1日まで。ラニエリの残留、ガスペリーニの指揮官就任、マッサーラの復帰を上回るような大型補強の実現が期待される。
(文:佐藤徳和)
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