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現地時間6月27日、ブレントフォードはトーマス・フランクの後任としてセットプレーコーチを務めていたキース・アンドリュースの新監督就任を発表した。多くの人は博打のような人事と感じたかもしれない。ただ、ブレントフォードには積み上げてきた“独自の歴史”がある。今回は、その文化と新監督がすでにクラブにもたらした効果について考察していく。(文:安洋一郎)
セットプレーが文化のブレントフォード
【写真:Getty Images】
マンチェスター・シティ、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパーの5クラブにはある“共通点”がある。
彼らはプレミアリーグを代表する強豪である。それは百も承知の上で、キーワードとなるのがブレントフォードだ。2021/22シーズンにプレミアリーグ昇格を果たした西ロンドンに本拠地を構える革新的なクラブは、あらゆる側面で最先端を走っている。
その1つが「セットプレー」だ。今でこそプレミアリーグの大半のクラブが試合を動かす“飛び道具“にスペシャリストを招くことが常識となっているが、彼らが1部昇格を果たした時にセットプレーコーチがいたのは少数。多くても4、5人だった。
これが多くのクラブに浸透したのは、セットプレーがクラブの文化の1つに定着しているブレントフォードの功績が大きい。彼らの存在がなければ、現在ほど注目されていなかったはずだ。
そう言い切れるのが、冒頭で言及した“共通点”である。上記の5クラブは、いずれも「ブレントフォードでセットプレーコーチを務めた人物を招聘した経験」がある。
これを時系列に並べると、選手を含めたリクルートで異彩を放つビーズ(ブレントフォードの愛称)の先見の明が“本物“であることがわかると思う。