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コラム 5か月前

プレミアリーグの常識を変えたブレントフォード。セットプレーコーチ出身監督の新たな挑戦と成功への予兆【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

10年前からセットプレーのスペシャリストを招聘

 近年、フットボールはより細分化され、ピッチ内外での分業制がトレンドとなっている。その先駆者とも言えるクラブがブレントフォードなのだ。彼らは10年前からセットプレーのスペシャリストをコーチングスタッフに入閣させている。

 2015/16シーズンに担当したのがジョバンニ・ヴィオ。後に彼はユーロ2020(欧州選手権)でイタリア代表の優勝に貢献し、アントニオ・コンテ政権のスパーズでも目に見える結果を残した。

 彼の後任として2016年夏に招聘したのが現アーセナルのニコラ・ジョバーだ。彼は3シーズンに渡ってブレントフォードのセットプレーを担当した後の2019年夏にマンチェスター・シティに引き抜かれ、2021年夏からはミケル・アルテタの下で重要な役割を担っている。

 そのジョバーの後釜として招聘したのがアンドリース・ゲオルグソン。彼は1年後の2020年夏にアーセナルへと引き抜かれ(1年で退任。その後任がジョバー)、2024/25シーズンはマンチェスター・ユナイテッドでセットプレーを担当。2025/26シーズンからはスパーズのコーチングスタッフに入閣し、前ブレントフォード監督のトーマス・フランクと再会することが決定している。

 わずか1年で引き抜かれたゲオルグソンの後任を務めたのが、現チェルシーのベルナルド・クエバだ。彼は2020年夏から4シーズンにわたってブレントフォードでセットプレーを担当した。

「ヴィオ→ジョバー→ゲオルグソン→クエバ」と、ブレントフォードで結果を出したコーチングスタッフが軒並みビッグクラブに引き抜かれた。他にもアナリストが別のプレミアリーグのクラブでセットプレーコーチを務めるなど、何人もの優秀な人材を輩出し続けている。

 そして2024/25シーズンにセットプレーコーチとして新たに招かれたのが、キース・アンドリュースだった。

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