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コラム 5か月前

チェルシーが導き出した最強PSGの攻略法。作者はマレスカ。哲学を捨ててまで用意した、決勝用プランとは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

FIFAクラブワールドカップ2025 最新ニュース

 FIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)2025決勝、チェルシー対パリ・サンジェルマンの試合が現地時間13日に行われ、チェルシーが3-0で勝利。新フォーマットのクラブW杯では初優勝を飾った。CL王者がまさかの大敗を喫する予想外の展開となったのは、チェルシーの指揮官エンツォ・マレスカの手腕が大きい。その効果的だった戦術プランとは?(文:安洋一郎)

チェルシーがクラブW杯を制覇

クラブW杯で優勝を果たしたチェルシー

【写真:Getty Images】

 約1ヶ月間に渡ってアメリカ合衆国で開催されたFIFAクラブワールドカップ2025(クラブW杯)は、2020/21シーズンの欧州王者であるチェルシーの優勝で幕を閉じた。

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 この結果は大方の予想とは反するものだったと言える。試合前の時点における決勝の勝利オッズはチェルシーが【5】、パリ・サンジェルマン(以下PSG)が【1.67】。2024/25シーズンの後半から驚異の強さで数々の強豪を撃破していた現欧州王者が圧倒的に有利だと思われていた。

 実際にPSGは準決勝でレアル・マドリード相手に4-0で勝利しており、今大会で喫した失点は決勝の前の時点でわずか1。敗れたボタフォゴ戦以外は全て複数得点の完勝と好調を維持していた。

 しかし、決勝で試合を優位に運んだのは、不利だと思われていたチェルシーだった。キックオフ直後から約10分間も敵陣で欧州王者を押し込み続け、22分、30分、43分に立て続けにゴール。前半のうちに3-0とリードを大きく広げ、後半も危なげなく試合をクローズして世界王者に輝いた。

 チャンスの質を可視化したデータである「xG(ゴール期待値)」もチェルシーが(2.33)、PSGが(0.6)と内容面でも圧倒していたことがわかる。

 なぜ、エンツォ・マレスカ監督が率いるチェルシーは、“完全無欠“だと思われたPSG相手に完勝を収めることができたのだろうか。

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