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コラム 5か月前

チェルシーが導き出した最強PSGの攻略法。作者はマレスカ。哲学を捨ててまで用意した、決勝用プランとは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

PSGに有効だった守備戦術

 この時にハキミは事前に右WGの位置にポジションを移しており、アンカーのヴィティーニャが右SB、右WGのデジレ・ドゥエが中盤の一角に入るポジションチェンジを行っていた。

 何も対策をしていないチームであれば、マークの受け渡しで迷いが出るところだが、チェルシーの場合はハキミの担当である左WGペドロ・ネトがマンツーで対応。ギリギリのところでGKに頭で返してピンチを防いだ。

 PSGのキーマンである最前線のデンベレに対する対応も同様のことが言える。最前線から中盤に下りる際には、ほぼ必ずと言って良いほどレヴィ・コルウィルとトレヴォ・チャロバーのどちらかがマンツーでタイトにつくことで試合から消していた。

 逆にこの試合における最大のピンチとも言える16分のシーンは、誰もデンベレを捕まえることができていなかった。中途半端に釣りだされたことで、裏のスペースをファビアン・ルイスに使われている。

 チェルシーのPSG対策が効果的だったのは、守備だけではない。攻撃でも彼らの数少ない弱点を突いた。

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