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プレミアリーグ王者であるリバプールがビッグサマーを過ごしている。すでにフロリアン・ヴィルツやウーゴ・エキティケら移籍市場の目玉の獲得に成功し、引き続きマーケットで積極的な動きを見せそうだ。なぜこのような今夏に大型補強を行っているのか。新シーズンに向けた戦い方の変化も含め、現状のリバプールを考察する。(文:安洋一郎)
プレミアリーグ王者として迎える新シーズン

【写真:Getty Images】
このままリバプールに黄金期が到来するのだろうか。
2024/25シーズンの開幕前の時点で、彼らがリーグ優勝すると予想していた人はほとんどいなかっただろう。
長期政権を築いたユルゲン・クロップがチームを去り、アルネ・スロットが新監督に就任した中でも補強はほとんどなし。1年を通して獲得したのがフェデリコ・キエーザのみで、彼も全く戦力にならず、実質的なスカッドの上積みがないままシーズンを戦った。
それでも5季ぶりのリーグ優勝という大成功を収めることができたのは、オランダ人指揮官による「微調整」が功を奏したことが要因として大きかった。ベースとしてクロップ政権のダイナミックな戦術を踏襲しつつ、現有戦力の特長を見極めた上での最適解をピッチ上で組んだ。
その代表例が、前政権では戦力になりきることができていなかったライアン・フラーフェンベルフのアンカーへのコンバートである。他にもドミニク・ソボスライのポジションをトップ下に動かすことで、特に非保持の部分で彼のアスリート能力の高さが活かせる形を演出した。
ほとんどのポジションで主力を固定したのも特徴の1つ。スタメンとサブに明確な役割を与えることで、各選手が自らに与えられたタスクを遂行しやすい形を取った。
しかし、これらはあくまでも短期的な目標を達成するための手段だった。選手を入れ替えないことは持続可能性に欠ける。
さて、今夏のリバプールは予想を上回る大成功とも言えるシーズンを経て、クラブ史上最大規模の“ビッグサマー“を過ごしている。今回はその背景と、間もなく開幕を迎える新シーズンに向けた戦い方の変化を考察する。