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コラム 4か月前

失敗だった…? マンCはグリーリッシュの“ベスト”を引き出せていたのか。「嫌なんだ」と明かしていた左WGでの限界【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

キャリアの転機となったコンバート

アストン・ビラ時代のジャック・グリーリッシュ
【写真:Getty Images】

 現代のフットボールではWGにも得点力が求められている。プレミアリーグで20ゴール以上決めた経験があるモハメド・サラーやサディオ・マネ、ラヒーム・スターリングがその代表例だ。

 一方のグリーリッシュはキャリアを通してリーグ戦で2桁ゴールを決めた経験がない。彼らのような得点力もなければ、ラインブレイクして相手DFをぶっちぎるようなトップスピードも兼ね備えていない。縦に仕掛けることがメインだったプロデビュー当時のプレースタイルでは天井が見えていた。

 伸び悩んでしまう可能性もあったが、2016年10月にアストン・ヴィラの監督に就任したスティーブ・ブルースがグリーリッシュを中盤にコンバートする。これがキャリア最大の転機だった。

 トップ下やインサイドハーフでの起用が増えると、技術の高さを活かしたキープ力や視野の広さを武器に徐々に「司令塔」としての才能を開花させる。

 周りの選手を活かしつつ、中央のエリアでは、対中盤の選手とのスピード差でドリブルでのキャリーがより効果的となり、チャンピオンシップ(イングランド2部)では敵なしとも言える圧倒的な存在となった。

 先述した2019年のインタビューの頃には、憧れの選手の名前がC・ロナウドからケビン・デ・ブライネ、フィリペ・コウチーニョへと変わっていた。

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