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コラム 4か月前

失敗だった…? マンCはグリーリッシュの“ベスト”を引き出せていたのか。「嫌なんだ」と明かしていた左WGでの限界【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

中盤からウイングへの再コンバート→大ブレイク

 2019/20シーズンのプレミアリーグ昇格後もしばらくインサイドハーフでの起用が続いていた。

 しかし、シーズン途中に当時アストン・ヴィラを率いていたディーン・スミス監督は、トップリーグを戦うにはチームのWGの質が足りていなかったと判断し、グリーリッシュをWGに再コンバートする。

 その際に彼は中盤のキャラクターを維持したままポジションをWGに移し、中央からワイドへとプレーエリアが変わった中でも司令塔として攻撃を牽引していた。

 左サイドにポジションを移したことで、より重要となったのが左SBとの関係性だ。当時、縦関係でコンビを組むことが多かったマット・ターゲットが大外を駆け上がり、グリーリッシュが複数の相手選手を引きつけてから彼にパスを出すことで、左SBがフリーでボックス内にクロスを上げることができていた。

 このチームメイトをフリーにする“おとり“のようなプレーこそ、グリーリッシュの真骨頂だ。彼がピッチに立つだけでチームの機能性が上がる。

 イングランド代表として、国際的に評価を高めた2021年のユーロ(欧州選手権)でも、周りの選手を活かすプレーが目立っていた。

 2-0で勝利したラウンド16のドイツ代表戦では、グリーリッシュが相手選手の視線を集めてから大外のルーク・ショーにパスを出し、彼のクロスを逆サイドから絞っていたスターリングが合わせて決勝点を記録。得意の形からお手本のような崩しを演出した。

 一方でマンチェスター・シティでは、このような形のプレーはあまり見られなかったと思う。

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