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コラム 4か月前

失敗だった…? マンCはグリーリッシュの“ベスト”を引き出せていたのか。「嫌なんだ」と明かしていた左WGでの限界【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

再起を目指す2025/26シーズン

ジャック・グリーリッシュ
【写真:Getty Images】

 マンチェスター・シティで居場所を失ったグリーリッシュに対して、最も熱意を持って関心を示していたのが2025/26シーズンから新スタジアムとなるエバートンだ。

 開幕直前の8月12日にはローン移籍でのエバートン加入が発表され、5000万ポンド(約95億円)の買い取りオプションも契約に含まれている。

 2022/23シーズンを最後にレギュラーとしてプレーする機会を失っていたグリーリッシュは、デビッド・モイーズ監督の下で再起を図る。

 その中で62歳の指揮官が彼をどのように起用するのかは要注目だ。これまで長々と述べてきたように、彼は純粋なウインガーではなく、得点やアシストなど分かりやすい数字を残すことが武器ではない。

 司令塔としてチームの攻撃の起点となり、自らに相手選手を引きつけて周りの選手をフリーにさせ、チームの機能性を上げることこそ彼の存在価値だ。

[4-2-3-1]のトップ下か[4-3-3]のインサイドハーフでの起用がベストに思うが、仮に左WGで起用したとしても、大外を左SBに積極的に上がってもらうことが、グリーリッシュが最も活きる形になるだろう。

 まだ29歳と衰える年齢ではなく、ここからさらに円熟味が増していくことが予想される。怪我の多さはネックだが、幸いにも彼はスピードを武器としている選手ではない。

 ワイドではなく、再び中盤にメインポジションを移せば息の長い選手になる可能性もある。これからどのように再起を図り、進化を遂げるのか。新たなグリーリッシュが見られることに期待したい。

(文:安洋一郎)

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【了】
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