ラ・リーガ第1節、マジョルカ対バルセロナの一戦が現地時間16日に行われ、アウェイのバルセロナが3-0で勝利した。この試合でも格別の輝きを見せていたのは、MFペドリである。ラ・リーガ連覇とUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝の悲願達成に向け、世界中のサッカーファンから注目が集まる背番号8は、今、何が凄いのか。東京大学運動会ア式蹴球部の現役分析官が解説する。(文:阪田天祐)
開幕戦でいきなり躍動したペドリ
バルセロナの25/26シーズンが始まった。
マジョルカ戦直前に選手登録の問題も解消され、新加入のGKジョアン・ガルシアは無事に先発出場を果たす。その他にも、FWラミン・ヤマルとFWラフィーニャの二枚看板、DFロナルド・アラウホやMFフレンキー・デ・ヨングといった主力が軒並み先発を飾り、日本代表FW浅野琢磨が所属するマジョルカのホーム、ソンモイシュに乗り込んだ。
試合は7分、バルサの新10番の左足から放たれた魔法のようなアーリークロスから、完璧な飛び出しを決めたラフィーニャが決めて、アウェイチームがいきなり先制。23分にも、ペナルティエリア手前の混戦からFWフェラン・トーレスがゴール左隅に沈め、昨季王者が試合の主導権をガッチリ掴む。
さらには39分の時点でマジョルカに2人の退場者が出たこともあり、試合は完全にバルサペースに。ゴール前を固める守備ブロックの攻略に苦戦したものの、90+4分にヤマルが見事なカットインシュートを沈め、アウェイの地で完全勝利を収めた。
ボール支配率71%、総シュート数24本と、終始マジョルカを圧倒したバルセロナ。その中で格別の存在感を示したのが、全選手の中で最多の103タッチを記録したMFペドリだ。
ブラウグラナの全ての攻撃に関与している印象すら与える22歳は、1ゴール1アシストを記録した新10番ヤマルと並ぶ新生バルセロナの旗手として、世界中から称賛の声が集まっている。
しかし、そのプレーの凄さは、単純な足元の技術の上手さに留まるものではない。若きバルサの心臓は、いかにして試合を支配するのか、解き明かしていきたい。
