ペドリの凄さ。価値の高いボールの受け方

ペドリの凄さ①：スペースを作る・使う

　ペドリが試合を支配する方法。それはずばり、コート内の①スペース（空間）と②テンポ（時間）を掌握することにある。以下、順番に見ていきたい。

　まず①のスペースについて。サッカーは、コート内のスペースを奪い合ってボールを前進させ、ゴールを狙うスポーツだ。このゲームの中で、各選手はより価値の高いスペースにボールを供給することが求められる。

　パスやドリブルなど、スペースへのボールの供給方法は色々あるが、これからボールを引き受ける選手が最初に要求されるのは、そうした価値の高いスペースと繋がることができるようなボールの受け方。すなわち、コントロールミスが起きにくく、また相手からプレッシャーを食らいにくい受け方だ。

　ペドリは、まさにこうしたポジショニングのお手本である。これは、マジョルカ戦の開始2分頃のシーンによく表れている。

　ペドリは相手FWのプレスに追従しながら、相手のFW-MF間に空いたスペースの内、下半分のポジションで静止した。一瞬の出来事だが、相手FWにもMFにも捕まりづらい位置でボールを引き取ったことにより、ペドリは余裕を持って前を向くことができた。

　中盤の選手にとってはこのポジショニング原則は当たり前のものだが、この当たり前を徹底的にこなせるのがペドリの凄さなのだ。