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コラム 4か月前

バルセロナ、ペドリは「速くないようで速い」。一体なにが? スペースを作る・使うの上流こそ、彼の本質だ【東大分析官の視点】

シリーズ:東大分析官の視点 text by 阪田天祐 photo by Getty Images

クロース氏が語った「ペドリの速さ」とは?

 ペドリは、コート内の①スペースと②テンポを掌握し、試合を支配する。ボールが背番号8を経由する限り、バルセロナは先手を取り続け、常に優位性が貯まった状態で仕掛けられるのだ。

 以前、トニ・クロース氏はペドリについて、「それほど速くないように見えるが、実際は速いんだ」と語っていた。実際に相対した名手が語る、「ペドリの速さ」とはどのようなものなのだろう。

 もちろん、ボールコントロールの正確さや、パススピードの速さといった足元の技術の上手さも含まれるだろう。しかし、フットボール史に名を残す稀代のクラックが驚嘆する「速さ」とは、単純に上手い、というだけではないはず。

 きっと「ペドリの速さ」とは、本稿で見てきたようなポジショニングの的確さであり、プレー方向のスペース認知の周到さであり、プレーイメージの明瞭さであり、また、プレーテンポの意外性であり、パスを受けた後のプレー選択の速さであり、キャンセル後のプレーの滑らかさのことを指すのではないか。

 いや、きっとそれだけではない。私はきっと、ペドリの凄さを語り尽くすことができるほどサッカーを知らない。私はもっとサッカーを知りたい。

 私はもっとペドリを知りたい。世界最高のMFの一挙手一投足から、今季も目が離せない。

(文:阪田天祐)

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【了】

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