これまでに数多くの有望な選手を獲得してきたパリ・サンジェルマンだが、そのすべてが成功しているわけではない。高額な移籍金を払い、高い期待値をもって獲得したものの、満足に活躍できないままチームを去ったものもいる。その中でも、期待と結果が最もかけ離れた選手は誰だったのか。補強策として失敗に終わった選手をランキング形式で紹介する。※移籍金などのデータは『transfermarkt』を参照
5位:ジョルジニオ・ワイナルドゥム(元オランダ代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1990年11月11日
移籍金:フリー
在籍期間:2021年夏~2023年夏
クラブ通算成績:38試合3得点3アシスト
誰が1年で構想外になることを予想していただろうか。ジョルジニオ・ワイナルドゥムは、パリ・サンジェルマン(PSG)では鳴かず飛ばずのパフォーマンスに終わった。
在籍した5年間で公式戦237試合に出場した前所属のリバプールでの活躍は記憶に新しいだろう。抜群だったのが驚異的な稼働率の高さで、最もプレミアリーグで試合に出場できなかったシーズンでも33試合(38試合中)。契約最終年の2020/21シーズンもリーグ戦全試合に出場していた。
パフォーマンスに波が少なく、チームのためにプレーできる献身性がワイナルドゥムの特徴の1つだ。そのため、どのチームでも活躍できるというのが大方の予想だった。
2021年夏にフリーでPSGと契約すると、マウリシオ・ポチェッティーノ監督の下で開幕スタメンに抜擢。このまま主力に定着すると思われたが、開幕戦の直後にリオネル・メッシが電撃移籍したことで、チーム全体のバランスを再考する必要が生まれた。
ネイマール、メッシ、キリアン・エンバペ、アンヘル・ディ・マリアという個人で攻撃が完結できるタレントが前線に入ったことで、中盤の選手に求められたのが分かりやすい守備力だ。
ワイナルドゥムもバランスに優れた選手だが、ダニーロ・ペレイラやイドリッサ・ゲイェらフィルターとして機能する選手がより重宝された。
その結果、リーグ・アンではわずか18試合の先発出場に留まると、翌年夏に出場機会を求めてローマにローン移籍している。
しかし、加入直後に大怪我を負ったことで、同年秋のFIFAワールドカップ(W杯)出場を逃すという悲劇に見舞われ、2023年夏にアル・イテファクへと完全移籍で去った。