8月下旬を迎え、暦はまもなく9月。夏の移籍市場の閉幕も間近となった。今夏も多くの選手が新天地を求めて動いたが、なかには実績がありながらも、未だ次の活躍の場が決まっていない選手が存在する。今回は、昨季まで海外でプレーしていた日本人選手のうち、現在無所属となっている選手を紹介する。
※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は2025年8月20日時点。
MF:中井卓大(なかい・たくひろ)
生年月日:2003年10月24日(21歳)
最終所属クラブ:レアル・マドリード・カスティージャ(スペイン)
昨季リーグ成績:11試合0ゴール0アシスト(ソシエダ・デポルティーバ・アモレビエタ)、7試合0ゴール0アシスト(ラージョ・カンタブリア)
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中井卓大が今夏、ついにレアル・マドリードを離れることになってしまった。
現在21歳の同選手は今年7月に同クラブとの契約が満了に。欧州屈指の名門で定位置を確保することはできず、トップチームでの公式戦出場は叶わなかった。
2013年9月、当時9歳の小学生がレアル・マドリードと契約したというニュースは衝撃的だった。中井はカンテラ(下部組織)で技術を磨き、トップチームの練習参加や、本来のフベニールB(17歳)からフベニールA(19歳以下)に飛び級昇格など、その才能を発揮して期待に応えてきた。
2022/23シーズンからはリザーブチームであるレアル・マドリード・カスティージャでプレー。トップチーム昇格まで、文字通りあと一歩のところまで上り詰めていた。
しかし、中井が目指す場所はただのチームではない。世界中からスター選手たちが集うクラブであり、ほんの一握りの実力者だけがピッチに立つことができる。そんな場所で若手選手がチャンスを掴み、生き残ることは至難の業だ。
同選手はカスティージャから下部リーグのクラブへのレンタル移籍が続き、今年2月にはラージョ・カンタブリアへの武者修行を経験。保有元であるレアル・マドリードとしても秘めた才能の開花に期待していたはずだが、いずれのクラブでもインパクトは残せず、今夏に契約満了を迎えた。
そのキャリアは当初の期待と比べれば伸び悩んでいる印象もあるが、中井はまだ21歳。日本で再スタートを切るというシナリオも考えられるだろう。
Jリーグでどこまで通用するのか未知数ではあるが、中井には同世代のプレーヤーにはない「世界」での経験値がある。元神童という肩書から脱却できるだろうか。
※8月22日にレガネスB(スペイン)への加入が決定
