2025/26シーズンのプレミアリーグが開幕した。一昨季と昨季は「昇格組」が1年で降格する史上初の事態が起こるなど、1部と2部の格差問題が顕在化している。この勢力図を変える存在として期待されるのが9年ぶりにプレミアリーグ復帰を果たしたサンダーランドだ。彼らの生き残りをかけた大規模な「補強戦略」と新シーズンの戦い方を考察する。(文:安洋一郎)
サンダーランドがプレミアの勢力図を変える!?

【写真:Getty Images】
プレミアリーグの勢力図に変化を加える“新興勢力”が現れるだろうか。
現在イングランドの国内リーグでは、1部と2部以下の間にある格差問題が顕在化している。2023/24シーズンから2季続けて全ての「昇格組」が1年で降格。これはプレミアリーグの歴史を見ても史上初めてのことだった。
転機となったのが、2022/23シーズンの昇格組であるフラム、ボーンマス、ノッティンガム・フォレストの全チームが“残留”したことと、2023/24シーズンの昇格組であるバーンリー、シェフィールド・ユナイテッド、ルートン・タウンが全て“降格“したこと。
続く2024/25シーズンの昇格組も全て降格したことで、現在のプレミアリーグは「2022/23シーズン以前からプレミアリーグに在籍している17クラブ」+「昇格組」という構図で戦っている。
プレミアリーグに残留し続けることができる限りは戦力維持、もしくは選手が引き抜かれたとしても後釜を確保するためには十分な資金を得ることができるため、17クラブの間での競争力が過熱。それを象徴するのが昨シーズンで、マンチェスター・ユナイテッドとトッテナム・ホットスパーの両クラブがボトムハーフに沈んだ。
ただ、残留圏ギリギリの17位スパーズと18位レスターの間でも勝ち点「13」の差がある。このギャップを埋めるのはかなり難しいだろう。
さて、2025/26シーズンもプレミアリーグが開幕した。今季も昇格組が苦しむ1年になるのか、それとも3シーズンぶりに残留するチームが現れるのか。
冒頭の“新興勢力”として注目しているのが、シェフィールド・ユナイテッドとの昇格プレーオフ決勝の末に9年ぶりのプレミアリーグ復帰を果たしたサンダーランドである。