過去に失敗したチームから学んだこと
今夏には、昇格の立役者であるジョーブ・ベリンガム(現ドルトムント)とトム・ワトソン(現ブライトン)を失ったが、彼らの不在は全く気にならない。むしろ戦力的にはパワーアップし、充実した陣容を揃えた。
クラブ史上最高額で獲得したMFアビブ・ディアッラや昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で活躍したMFケムズダイン・タルビを筆頭に、20歳前後のタレントを集めつつ、新主将に就任したMFグラニト・ジャカやDFヘイニウド・マンダーヴァ、DFノルディ・ムキエレのような中堅からベテランの選手も積極的に獲得した。
これらはプレミアリーグ昇格後も見据えていた計画に則ったもので、1部での戦いを標準にした補強を下部リーグ時代から続けていたと結論付けても良いだろう。
過去数年間に失敗したチームに共通していたのが、「2部時代からの戦力ダウンを最低限に留める」と「残留を目指すために上積みとなる補強を行う」がクリアできていなかったこと。1年で降格の憂き目にあったクラブの失敗から学び、“反面教師”のような理想的な補強を行った。
正直なところ昨季の昇格プレーオフ決勝でもシェフィールド・ユナイテッドとの戦力差を感じていたが、新加入選手が加わったことで、開幕戦のウェストハム戦から昨季までとは全く違う”プレミアリーグ仕様”のチームへと変貌している。
7人の新加入選手がスタメンに名を連ね、彼らの鉄板だった中盤のトライアングルも【ニール、ベリンガム、リグ】の平均年齢が19.6歳の3人から【ジャカ、ディアッラ、ノア・サディキ】の新加入トリオに代わった。