バルセロナの下部組織『ラ・マシア』は世界最高峰の育成機関だ。世界中から優秀な若手選手が集結しており、リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタといったワールドクラスの天才を多数輩出している。彼らの中には、そのままトップチームに昇格して主力になった選手もいれば、道半ばでクラブを離れ、他のチームで飛躍を遂げた選手もいる。今回は、様々な理由でバルセロナを離れ、ほかのクラブで一流になった選手を紹介する。[2/5ページ]
※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は9月3日時点。
MF:シャビ・シモンズ(オランダ代表)
生年月日:2003年4月21日(22歳)
現所属クラブ:トッテナム・ホットスパー(イングランド)
昨季リーグ戦成績:25試合10ゴール7アシスト(RBライプツィヒ)
アンジェ・ポステコグルー監督が退任となり、今季から新たにトーマス・フランク監督を招へいしたトッテナム・ホットスパー。新体制で迎えた今夏の移籍市場では、目玉補強としてシャビ・シモンズを獲得した。
現在22歳のシモンズは、7歳のときにラ・マシア(バルセロナの育成組織)に入団した。早くから高い評価を得ていた同選手だったが、バルセロナでトップチーム昇格を待つことはなく、10年経たずでカタルーニャを去ることになる。
きっかけは、2017年からシモンズの代理人を務めることになった故ミノ・ライオラ氏だ。敏腕エージェントの助言もあり、シモンズは16歳のときにフランスの強豪パリ・サンジェルマン(PSG)への移籍を決断。将来有望な若手選手として迎え入れられた。
PSGでは2021年2月に17歳でトップチームデビュー。しかし、いくら逸材といえども、リオネル・メッシら当時タレント揃いのトップチームで出場機会を確保することは難しく、一度はPSVアイントホーフェンに完全移籍することを選んだ。
その後、PSVでの活躍を評価されたシモンズはPSGに買い戻され、一昨季、そして昨季を期限付き移籍先のRBライプツィヒで過ごしている。
一昨季はリーグ戦32試合8ゴール13アシスト、昨季はリーグ戦25試合で10ゴール7アシストを記録、その才能を如何なく発揮した。
従来からマーケットの注目株だった同選手だが、ドイツでプレーした2年間で市場価値がさらに急上昇。一時は8000万ユーロ(約136億円)まで到達した。
そして前述した通り、シモンズは今夏にスパーズ移籍が決定した 。リーグ・アン、エールディヴィジ、ブンデスリーガに続き、いよいよプレミアリーグへ挑戦する。
昨季までソン・フンミンが着用していた背番号「7」を継承したことは、シモンズへの期待の表れだろう。ラ・マシアから飛び出した才能は、欧州最高峰の舞台で新たな物語を紡ごうとしている。
