バルセロナの下部組織『ラ・マシア』は世界最高峰の育成機関だ。世界中から優秀な若手選手が集結しており、リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタといったワールドクラスの天才を多数輩出している。彼らの中には、そのままトップチームに昇格して主力になった選手もいれば、道半ばでクラブを離れ、他のチームで飛躍を遂げた選手もいる。今回は、様々な理由でバルセロナを離れ、ほかのクラブで一流になった選手を紹介する。[3/5ページ]
※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は9月3日時点。
FW:マウロ・イカルディ(元アルゼンチン代表)
生年月日:1993年2月19日(32歳)
現所属クラブ:ガラタサライ(トルコ)
昨季リーグ戦成績:7試合4ゴール1アシスト
今となってはマウロ・イカルディにブラウ・グラナ(青色とえんじ色)の血が入っていることを知らない人の方が多いかもしれない。元アルゼンチン代表FWは、かつてバルセロナの一員だった。
現在32歳のイカルディはアルゼンチンで生まれたが、9歳のときにスペインへ移住した。その後、2008年にバルセロナの下部組織に加入して順調にカテゴリーを上げていったが、2011年1月にサンプドリアへ期限付き移籍。同年7月には完全移籍することが決まった。
そのため、バルセロナの選手としてトップチームでプレーする機会は無かった。さらに彼のプレースタイルは、ボックス内での駆け引きを得意とする生粋のストライカー。バルセロナ時代の面影は皆無だと言って良い。
ただ、イカルディはバルセロナで強烈なエピソードを残している。
明らかになったのは、今年8月に公開されたポッドキャスト番組『Post United』だ。この放送ではラ・マシア(バルセロナの育成組織)でイカルディと共にプレーしたセルジ・ゴメスが登場した。
ゴメスによると、バルセロナ時代のある日、公園にいたイカルディは木の上にとまっていた鳩を発見。アルゼンチン人FWは前日から準備していた手作りのパチンコを取り出し、それを使って石を飛ばし、鳩を仕留めたという。
その後、ラ・マシアに戻ると、イカルディは鳩の羽をむしり、ワイヤーを通して火の上に。目の前で戦利品を食べる友人に、ゴメスはかなりの衝撃を覚えたようだ。
あくまで日常の一場面に過ぎないが、このエピソードからもイカルディの破天荒さが伺える。
同選手はバルセロナ退団後、サンプドリア、インテル、パリ・サンジェルマンと渡り歩き、2022年から現在までガラタサライでプレー。型破りな性格はバルセロナの繊細で洗練されたスタイルとは合わなかったはずだ。
退団したからこそ、個性的なキャラクターの点取り屋に成長したのかもしれない。
