フロントと監督の方向性の違い
一方で「ヘッドコーチ」の肩書だったヌーノには移籍の権限がなく、彼が強く希望していたウルブス時代の教え子であるアダマ・トラオレの獲得は実現せず。移籍市場の初期から訴えていたGKとサイドバックの獲得もマーケットの最終日にようやく決定と、指揮官の意向はあまり通らなかった。
次第にフラストレーションを募らせたヌーノは、メディアを前にした会見で不満を口にするようになり、第2節クリスタル・パレス戦を前には「私たち(オーナーとの)の関係は変わった。それほど親しくはない」と発言。両者の間には明らかな亀裂が入っていた。
代理人との強いコネクションを活かしながら現場に介入するマリナキスがオーナーのフォレストで長く監督を務めるためには、ピッチ上で結果を残すことはもちろん、フロントの意向を受け入れる必要がある。ヌーノはこのチーム方針と合わなかった。
ここまでの書き方ではマリナキスが一方的な悪者に映ってしまうかもしれないが、彼はUEFAチャンピオンズカップ(現CL)で2連覇を成し遂げたことがあるフォレストを再び欧州のトップに戻すという強い野心がある。その過程における方向性の違いであり、どちらが正しいなどはない。
さて、この状況で新監督に就任したのが、昨シーズンにトッテナム・ホットスパーをUEFAヨーロッパ(EL)王者に導いたアンジェ・ポステコグルーだ。