欧州サッカーは8月に各国のリーグが開幕し、ここまで数試合が終了している。堂安律や久保建英など、開幕からチームの主軸として期待通りの活躍を見せる日本人選手は数多くいるが、一方で本来の能力を見せることが出来ていないタレントも多くいる。今回は、欧州で戦う日本人の中で、不調にあえぎ苦しむ選手たちをピックアップして紹介する。[2/5ページ]
MF:鈴木唯人(すずき・ゆいと)

【写真:Getty Images】
生年月日:2001年10月25日
所属クラブ:フライブルク(ドイツ)
今季リーグ戦成績:2試合0ゴール0アシスト
鈴木唯人のブンデスリーガ挑戦は、想像よりも困難な道のりになりそうだ。
2020年に市立船橋高校から清水エスパルスへと加入した鈴木は、プロ1年目からリーグ戦30試合に出場。2023年1月にはストラスブールにレンタル移籍するも、約半年で清水に復帰した。
2023年、再度の欧州挑戦として、夏にデンマークのブレンビーIFへの加入が決まった。
同クラブの一員となった鈴木はすぐさまチームにフィットし、2023/24シーズンはリーグ戦9ゴール7アシストを記録。特に、リーグ最終盤は10試合で4ゴール6アシストと出色の活躍を示し、大きな存在感を見せた。
この活躍が評価され、翌2024/25シーズンは前季よりスタメンでの出場が増加。同32試合に出場し、12ゴール6アシストと、自身初の2ケタゴールを達成している。
2年連続の活躍はドイツのクラブの目にもとまったようで、今夏フライブルクが1000万ユーロ(約17億円)の移籍金で鈴木の獲得に乗り出した。
2度目の5大リーグ挑戦となった同選手には、昨季まで同クラブでプレーした堂安律のような、攻守に存在感を発揮するアタッカーとしての役割が期待されていたとみる。
しかし、開幕3節の段階では鈴木はその期待に応えられていないようだ。
ブンデスリーガ特有のアグレッシブなサッカーにまだ慣れていないのか、平均パス成功率は75%程度にとどまり、デュエルでも完敗。地上戦にいたっては勝率0%とみるに堪えない数字となっている。(データは『Sofa Score』参照)
第3節のシュトゥットガルト戦では、日本代表のアメリカ遠征の疲れもあってかベンチ外となった鈴木。
監督の信頼を勝ち取るためには、これからのUEFAヨーロッパリーグ(EL)を含めた連戦でのプレーが非常に重要になってくる。