輝きを放ちながらも無得点。報われなかったムベウモの躍動
素晴らしいのはオフザボールだけではない。42分、右大外に流れてボールを引き取ると、シェシュコの駆け上がりをわざと見送り、一拍置いてから飛び出したディアロへ見事な浮き球パスを通した。
相手を押し込んだ61分には、左サイドからのクロスに対して左足を完璧にミートさせ、サッカー漫画で見るようなボレーシュートを放ったが、ドンナルンマの好セーブに阻まれた。
強靭なフィジカルでボールを収め、左足の一振りでカウンターの起点になれるムベウモが、間違いなく赤い悪魔の主役となっていた。その髭面の風貌も相まって、どこかリバプールのFWモハメド・サラーと重なるカメルーン代表の26歳は、まさに今、ワールドクラスへの階段を駆け上がっている。
しかし、この日ユナイテッドが奪えた得点はゼロ。ムベウモのスペースメイクやチャンスメイク、あるいはファーへの飛び込みの能力が発揮されたにもかかわらず、得点機会は生まれなかったのだ。