欧州主要リーグの夏のマーケットが閉まった。今シーズンも多くの選手が活躍の場を求めて新天地を目指したが、その中には巨額な移籍金でサッカー界の話題を集めた「ビッグディール」も。夏の移籍市場で今シーズン最も多くの資金を投じたクラブはどこだろうか。今回は移籍市場における各クラブの総支出額をランキング形式で紹介する。[3/5ページ](移籍金は『transfermarkt』を参照)
3位:アーセナル(イングランド)

【写真:Getty Images】
総支出額:2億9350万ユーロ(約498.9億円)
移籍金最高額:マルティン・スビメンディ(7000万ユーロ/約119億円)
2022/23シーズンから3季続けてプレミアリーグを2位で終えているアーセナルは、念願の優勝に向けてラストピースとも言える補強を行った。
その目玉がスポルティングCPから獲得したヴィクトル・ギェケレシュである。
昨季のアーセナルはカイ・ハフェルツやミケル・メリーノがストライカーを務めるなど、典型的な9番タイプのストライカーが不在だった。
新加入のスウェーデン代表FWはこれまでのアーセナルの前線にはいなかったキャラクターの選手であり、開幕から積極的な裏抜けとパワフルなプレーでアクセントを加えている。
昨季ポルトガルリーグで39ゴールを決めた男にかかる期待は大きい。
トーマス・パーティーが退団したアンカーのポジションには、今夏の最高額となる7000万ユーロ(約119億円)の移籍金でマルティン・スビメンディを獲得。両ワイドでプレーできるノニ・マドゥエケ(←チェルシー)やCBのサブとして計算できるクリスティアン・モスケラ(←バレンシア)ら選手層を厚くする補強も行った。
移籍市場の最終盤には下部組織出身であるエベレチ・エゼをトッテナム・ホットスパーから強奪する形でサプライズ補強。
空席だった背番号10を着用するアタッカーは、早くも左WGのレギュラーに定着しており、前線で攻撃の起点となっている。
総額2億9350万ユーロ(約498.9億円)の移籍金で8選手を獲得したアーセナルだが、放出には大苦戦している。
わずか1030万ユーロ(約17.5億円)の収入に留まり、余剰戦力の整理には成功したとは言えないだろう。