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コラム 3か月前

現在のプレーはもったいない?母国で輝きを放ったラッシュフォード。ヤマル不在で見えたバルセロナの課題とは【東大分析官の視点】

シリーズ:東大分析官の視点 text by 阪田天祐 photo by Getty Images

ヤマル不在で露呈した最終局面のクオリティ不足

 1つ目の課題は、ドリブル失敗数の多さだ。

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 ラッシュフォードは、ドリブル時の縦へのスピードアップを武器とする選手である。マッチアップ相手のトリッピアーはこれを予測し、縦突破を警戒して常に深めのポジションから対峙する。

 こうなると、相手と正対してから駆け引きで抜くタイプではないラッシュフォードは、開けたスペースでボールを受けることができても、目の前の相手に突っ込んで失うばかり。実際、この日のドリブル成功数は0、失敗数は4と、両チーム通じてワーストの数字をたたき出した。

 23分のニューカッスルの決定機は、左サイド奥でのこのマッチアップから、ラッシュフォードがボールを失った所から生まれた。GKジョアン・ガルシアのファインセーブが無ければ、バルサはこの段階で先制点を奪われ、より苦しい試合展開となっていたかもしれない。

 ヤマルの不在は、最終局面でのクオリティ不足に強く影響しているように感じた。ラッシュフォードは、この課題を解消する選手では無かった。

 この課題は、ラッシュフォードのドリブルの特徴上、仕方ない部分もある。ただ次の「動き直し」の課題は、バルサに所属しているからこそ成長が見込めるものである。

 前半中盤当たりから、ニューカッスルのハイプレスを回避し始めたバルサ。敵陣で押し込む時間が続くが、今度はホームチームの4-5-1ブロックの打開に苦しむ。

 二列目に5枚が並ぶこの守備ブロックは、1人がバルサの後方のビルドアップに対してファーストディフェンスをかけた際、残りの4人が少しスライドするだけで、その背後のスペースをカバーできることが強みだ。

 バルサの狙いは、ボールを横に動かして相手を釣りだしながら、この横スライドの隙を突くこと。ライン間で駆け引きして縦パスを引き出す、二列目の選手の働きが重要になる。

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