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コラム 3か月前

現在のプレーはもったいない?母国で輝きを放ったラッシュフォード。ヤマル不在で見えたバルセロナの課題とは【東大分析官の視点】

シリーズ:東大分析官の視点 text by 阪田天祐 photo by Getty Images

ラッシュフォードに期待すること

 ラッシュフォードは、チャンスを嗅ぎつけることには長けている選手だ。50分のシーンなどは、相手の中盤のスライドによって空いた逆のライン間にポジションを取りにいったからこそ、こぼれを回収してシュートを打つことができた。

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 しかし、ラッシュフォードが課題とするのは、「動き直し」である。まず、一度手前に落ちて相手を引き付けた後、その背後に動き直すような駆け引きは少ない。これは、スタメンの左ウイングであるラフィーニャが得意とするポジショニングだ。

 その他のリポジも、バルサの選手としては少ない部類に入る。

 45分、左に流れたMFフレンキー・デ・ヨングとMFペドリの細かいパス交換からブロックへの侵入に成功したシーン。1列目を越えたペドリが、相手2列目の選手と駆け引きしながら前に運んだ瞬間、ライン間にいるラッシュフォードの胸はあっていない。

 せっかく中盤の2枚が作った優位性が、そこで途切れてしまう。

 ラッシュフォードの微妙なポジショニングの遅れによって、出し所が無くなったペドリはロスト。慌ててカウンターの芽を摘んだDFジェラール・マルティンが、イエローカードを受ける結果となってしまった。

 マンチェスターからやってきた元ワンダーボーイが再び返り咲くには、一過性のポジショニングからの脱却が必要となる。

 素晴らしいアクションが起こせる選手だけに、現在のプレーは非常にもったいない。

 まもなく絶頂期を迎える27歳のラッシュフォードは、さらなる成長を見せられるだろうか。今後も注目したい。

(文:阪田天祐)

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【了】

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