夏の移籍期間が終了し、各チームの編成がひと段落した。今夏も、マルティン・スビメンディがアーセナルに移籍するなど、近年ラ・リーガの中堅クラブからの国外移籍が増加している。資金力に乏しいクラブにとって、移籍金収入は貴重な収入源だ。今回のランキングでは、今夏十分な移籍金収入を得られなかったクラブを紹介する。※成績や移籍金などは『transfermarkt』を参照。[3/5ページ]
8位:ヘタフェ

【写真:Getty Images】
移籍補償金等収入:1260万ユーロ(約21.4億円)
退団した選手例:オマル・アルデレーテ、カルレス・アレニャ、クリスタンタス・ウチェ
毎年のように移籍市場で苦しい戦いを強いられているヘタフェが、移籍金収入ワーストランキングで8位にランクインした。
今夏の移籍市場で得た移籍金収入は1260万ユーロ(約21.4億円)で、財政的な余裕が乏しい中での補強と戦力整理は、例年通りの我慢を強いられる内容となった。
今夏はフリーでの獲得を中心に陣容を整えたものの、選手登録枠の問題から主力の放出は避けられなかった。
最も高額で売却したのは、昨季ディフェンスラインの柱としてチームを支えたオマル・アルデレーテだ。1160万ユーロ(約19.7億円)の移籍金でサンダーランドに移籍した。
さらに、昨季リーグ戦33試合で4得点6アシストを記録し攻撃の中心を担ったクリスタンタス・ウチェも、買取オプション付きのローンでクリスタル・パレスへと去った。
攻守において重要なピースを失った今夏の市場は厳しい結果だったと言わざるを得ない。
また、今期開幕戦前までのトップチーム登録選手はわずか15名という緊急事態に陥ったが、ホセ・ボルダラス監督の巧みな采配でセルタ戦を2-0で勝利。戦力ダウンが懸念された中でもチームは好調を維持し、現在はここまで3勝1敗で5位と好スタートを切った。
激しいフィジカルコンタクトを厭わないプレーや相手を塩漬けにする、やや面白みに欠けるスタイルで批判も多いが、一貫した戦術がチームに浸透していることは揺るがない。
少ない移籍金収入ながらも、チームに適した選手を揃えるクラブの手腕は見事であり、今季の戦いぶりにもそれが表れている。
ボルダラス監督のマネジメント力は、今季もまた大きなサプライズを呼び起こすかもしれない。