夏の移籍期間が終了し、各チームの編成がひと段落した。今夏も、マルティン・スビメンディがアーセナルに移籍するなど、近年ラ・リーガの中堅クラブからの国外移籍が増加している。資金力に乏しいクラブにとって、移籍金収入は貴重な収入源だ。今回のランキングでは、今夏十分な移籍金収入を得られなかったクラブを紹介する。※成績や移籍金などは『transfermarkt』を参照。[3/5ページ]
3位:レアル・マドリード

【写真:Getty Images】
移籍補償金等収入:200万ユーロ(約3.4億円)
退団した選手例:ルカ・モドリッチ、ルーカス・バスケス、アルバロ・ロドリゲス
移籍金収入ワーストランキング3位には、昨季無冠に終わったレアル・マドリードがランクインした。
世界屈指の名門クラブは、移籍市場において常に買い手として振る舞う。そのため、今夏の移籍金収入もアルバロ・ロドリゲスをエルチェへ売却して得た200万ユーロ(約3.4億円)のみとなっている。
高額な売却益を追うより、必要な人材を確実に迎え入れるという姿勢は一貫していると言えるだろう。
一方で長年クラブを支え続け、数々のタイトルをもたらしたルカ・モドリッチとルーカス・バスケスのフリーでの退団が決まった。黄金期を知るベテランたちの別れは、時代の節目を象徴する出来事となった。
そのうえでクラブは、スペイン代表DFディーン・ハイセン、カンテラ(育成組織)出身のアルバロ・カレーラス、さらにアルゼンチンの新星フランコ・マスタントゥオーノを獲得し、若さと将来性を重視した血の入れ替えを進めている。
チーム編成は、核となるベテラン数人を残しつつ、20代前半の力のある世界最高クラスの選手たちで周囲を固めるという理想的なバランスとなっている。
すでにヴィニシウス・ジュニオール、ジュード・ベリンガム、キリアン・エンバペらが中心となり、世代交代は着実に進行している。
そして今季、クラブOBであるシャビ・アロンソを新監督に迎えたことも大きな注目点だ。
レバークーゼンを無敗でブンデスリーガ制覇に導いた手腕を携え、マドリーを新たな時代へと導く存在として期待が寄せられる。
常にすべての大会でタイトル獲得が義務付けられるクラブにとって、昨季の無冠は許されざる結果だった。
シャビ・アロンソ政権の真価が問われるシーズンとなる。