どうなるのか。かつて世界を制したイタリア代表に危機が迫っている。FIFAワールドカップ26欧州予選では現在2位。首位ノルウェーを逆転できる可能性は決して高くなく、再び「悪夢」のプレーオフに回ることが予想される。仮にW杯出場を逃すことになれば、実に3大会連続でのこと。なぜ、かつての強豪はここまで凋落したのか。(文:佐藤徳和)
イタリア代表、またもW杯出場に暗雲

【写真:Getty Images】
アッズーリのFIFAワールドカップ26欧州予選グループリーグ1位突破は、風前の灯火となった。
9月の代表シリーズは、エストニアとイスラエルを相手に2勝10得点。しかし、グループ最大のライバル、ノルウェーはモルドヴァからアーリング・ハーランドの5ゴールを含む11得点を奪う大勝利で、2位イタリアとの勝ち点差を「6」に広げた。イタリアよりも1試合消化が多いものの、破壊的な攻撃力で首位を堅持している。
イタリアがサン・シーロでの最終戦となるノルウェー戦を含めた残り4試合にすべて勝利したとしても、この差をひっくり返すことができるかはわからない。1試合でも落とすと、その時点で首位通過の可能性が潰えることもあり得る。
ノルウェーに敵地で0-3と完敗を喫した初戦がすべてだった。イタリア・サッカー連盟(FIGC)は、あまりにもこの試合を軽視していた。「難しい試合ではあるが、ノルウェーに負けるはずがない」と高を括っていたに違いない。
FIFAランキングでは11位のイタリアに対し、33位のノルウェー(※対戦当時の順位)は“格下”である。そして過去の対戦成績でも、10勝4引き分け3敗と大きく勝ち越し、その3つの負けも、すべてが1点差の惜敗であった。
しかし、6月6日の黒星は、3失点の敗戦。完膚なきまでに叩きのめされ、ガブリエーレ・グラヴィーナ会長は、この窮地にルチャーノ・スパッレッティ監督を解任し、ジェンナーロ・ガットゥーゾを新監督に任命した。
そして迎えた9月5日のエストニア戦は、5-0と大勝。ノルウェーを苦しめ、最少失点での敗戦にとどまった相手からの勝利に安堵した。