人件費が高騰した理由
今夏の移籍に制限がかかる理由となった人件費の高騰は、アストン・ヴィラの強化方針と結びついている。
彼らはチャンピオンシップ(イングランド2部相当)に所属していた2018年夏に現在のオーナー体制となってからCL復帰やトロフィー獲得などを目標に掲げ、欧州のトップに立つための野心あふれる強化を行っている。
そのため自分たちを「ステップアップのためのクラブ」と位置付けておらず、基本的に主力選手を他クラブに売却する意思がない。選手と契約交渉をする際にもCL出場をはじめとする「プロジェクト」を提示しており、クラブの目標達成に向けてのコミットメントを高めている。
当然ながら野心のある目標を達成するためには質の高い選手が必要になる。ターゲットを確保するためには、ビッグ6をはじめとする国内外の強豪との争奪戦が待ち受けており、彼に負けず劣らずの好条件を提示した。
しかし、世界中に多くのファンが存在するメガクラブと比較すると、収入が少ないのがアストン・ヴィラの現在地であり、これが人件費の割合が高まっている理由だ。
先述した通り、基本的にはスタメンの選手を放出する意思もなく、主力をキープするために各選手に好条件の契約延長オファーを出している。
これも人件費が高騰した理由の一つであり、良くも悪くも主力を維持することができたことがスカッドのマンネリ化を招いた。