スカッドのマンネリ化
アストン・ヴィラは直近5シーズンのプレミアリーグにおいて、最も主力に変化がないクラブである。
今季のプレミアリーグ第4節エバートン戦で先発出場した11人のうち、9人がエメリが監督に就任する以前から所属していた選手たちだ。
エミ・マルティネス、マティ・キャッシュ、エズリ・コンサ、ミングス、ジョン・マッギン、オリー・ワトキンスの6人は2020/21シーズンの開幕戦でもスタメンに名を連ねており、長期的に同じメンバーで戦い続けている。
彼らが2022年10月に最下位から3ポイントの状況で監督に就任したエメリの下で飛躍的に成長したことが、昨季のCLベスト8をはじめとする結果に直結しており、各選手がキャリアで最高のパフォーマンスを発揮している。
それと同時に年齢を重ねたのも事実であり、スカッドの平均年齢はニューカッスルと並んで28.5歳とプレミアリーグで最も高い。また、CL出場という1つの目標を達成したことによる燃え尽き症候群のような状況やマンネリ化が生まれても不思議ではない。
当然ながら主力を入れ替えることにはリスクが生じる。ただ、今夏にコーチ陣と2022/23シーズンのトレブル達成時の主力メンバーのうち6選手を放出したマンチェスター・シティのような大規模な刷新が必須だったかもしれない、というのが筆者の意見だ。
実際に今季のアストン・ヴィラにはピッチ上でのエネルギーを感じられず、公式戦5試合連続でデュエル勝率は50%未満。チームのために戦うという“根本的な姿勢”が不足しているように見受けられる。