フットボールチャンネル

コラム 3か月前

「守備固め」が消えた? リヴァプールで遠藤航が使われない理由。開幕戦であった“違和感”の正体【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

スロット2季目で見られる戦い方の変化

 その理由が「フラーフェンベルフの序列がさらに高まったこと」と、スロット2年目での「スタイルの進化」だ。

 オランダ代表MFはコミュニティ・シールドとプレミアリーグ開幕戦を欠場したが、それ以降は全5試合でフル出場。モハメド・サラーやフィルジル・ファン・ダイクらと並んで、絶対に替えの効かない戦力へと定着した。

 フラーフェンベルフには、中盤の底の狭いスペースでボールを受けたところからのドリブルでの前進やワンタッチでの捌きでプレスを回避する技術がある。

 今季は昨季以上に他の中盤選手とポジションを流動的に動かしてファイナルサードで攻撃に関わっている。その結果がプレミアリーグ開幕5試合で2ゴール1アシストを記録している得点関与の多さであり、アンカーの選手に求められるタスクが増えた。

 フラーフェンベルフの攻撃参加が目立つ一方で、今季のリヴァプールには「守備固め」という役割がなくなったと感じている。

 この試合の前の時点でリヴァプールは公式戦6試合で14ゴールを記録していた。そのうち43%にあたる6ゴールが80分以降に生まれており、後半アディショナルタイムだけで4ゴールを奪っている。

 この傾向を簡潔にまとめると、今季のリヴァプールは「1点差を守り抜く」のではなく、「追加点を奪いにいく」フットボールを展開している。

 それを証明するのが、エヴァートン戦終了後のスロット監督のコメントだ。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!