“1点差だから”フラーフェンベルフを代えない決断
「60分で彼(フラーフェンベルフ)を交代させるつもりだったが、失点をしてしまった(から代えなかった)」
オランダ人指揮官はエヴァートン戦でのフラーフェンベルフのパフォーマンスの質問を受け、1点差となったことで彼を交代させなかったと明かした。
会見の中では「3点目を決めるチャンスは、2点目を決めたかった相手よりも我々の方があった」という発言もあり、1点差を守るのではなく、追加点を狙っていたことを匂わせている。
この最後まで追加点を狙う戦い方への変化は、フラーフェンベルフが出場停止のために欠場した開幕戦のボーンマス戦での遠藤の振る舞いでも見られていた。
日本代表MFは2点リードの60分にピッチに登場。この時点でクローザーとしての投入だと思ったが、64分にカウンターから1点を失うと、2-1とリードして迎えた76分には、トップ下で起用されていたドミニク・ソボスライとポジションを入れ替える形でボックス内に進入して攻撃に関与していた。
しかし、チームとしてフィニシュで完結できなかったところでボーンマスにカウンターを受けて2-2の同点に追いつかれている。
昨季までの遠藤であれば、守備固めとして、中盤の底でバランスを取ることを優先していたはずだ。それがリスクをとって、彼自身が前掛かりに3点目を奪いにいったことに違和感を抱いていた。
この違和感がスロット監督の発言によって解決した。最後まで追加点を狙う攻撃的な姿勢がプレミアリーグ開幕戦からの公式戦6連勝に繋がっており、これを変える理由は現状では見当たらない。
遠藤からすると、1点を守るための「守備固め要員」の役割がなくなり、自らの役割が発揮できる場面が少なくなった。現状は「ターンオーバー要員」である。恐らくミッドウィークに行われるサウサンプトンとのカラバオ・カップ3回戦では先発出場するだろう。
ただ、この現状をそこまで悲観する必要はない。昨シーズンも第5節まで出場時間は1試合の1分のみだった。
必ず彼がリヴァプールに必要とされる機会が長いシーズンの中ではあるはず。そのチャンスで仕事を果たしてこそ遠藤航だ。
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