サッカー日本代表は9月のアメリカ遠征を1分1敗で終えた。収穫よりも課題の方が多かった今シリーズで、とくに期待を裏切ってしまった選手は誰なのか。今回は、あまりに残念だった選手をピックアップして紹介する。
MF:三笘薫(みとま・かおる)

【写真:Getty Images】
生年月日:1997年5月20日
所属クラブ:ブライトン(イングランド)
9月アメリカ遠征成績:2試合0ゴール0アシスト
日本代表を支えてきたドリブラーの技術に、陰りが見え始めているのだろうか。
川崎フロンターレ黄金期の一員として活躍した三笘薫は、ユニオン・サン=ジロワースを経て、22/23シーズンからブライトンでプレーしている。
日本で向かう所敵なしだったドリブル突破は、サッカーの母国でも十分に脅威となり、加入初年度にリーグ戦7ゴール7アシストを記録している。
3年目となる昨季は、従来のライン際でのプレーに加え、中央で直接得点に絡む動きも増加し、日本人プレーヤーとしては初となるプレミアリーグシーズン2桁得点を記録。まさに日本サッカーの歴史を作り続けるパイオニアとなっている。
その渡辺は、主力組のDF陣に怪我が多かった6月のFIFAワールドカップ(W杯)26・アジア最終予選のメンバーに選出。オーストラリア代表との一戦で約1年ぶりに日本代表として出場した。
無失点で抑えていた渡辺だったが、69分に負傷交代。久々の出場だっただけに残念な結果で終わってしまった。
それでも、新天地のフェイエノールトでの活躍もあってか、9月に行われる国際親善試合のメンバーに選ばれた。
ただ、今年で28歳を迎えた同選手は、プレースタイルの転換点にあるようだ。
前述の通り中央でのプレー機会が増えた三笘だが、この背景にはチームの戦術に加え、彼自身のドリブルが対策されていることも要因に挙げられる。
22/23シーズンは52%だったドリブル成功率が、昨季41%まで減少しているのは、見逃せないデータだ。(データサイト「Sofa Score」参照)
そして、メキシコ戦はその不安が露呈してしまう試合となった。
左WBで先発出場した三笘は、違いを生み出すことができないまま、81分に試合を退くことに。最終ラインまで守備に奔走し、地上戦で相手を押さえ込んだのは事実だが、1対1の局面では仕掛けることさえできず、決定機を演出することもできなかった。
途中出場したアメリカ戦もドリブルは冴えず、試合の流れを変えるほどのプレーは見られなかった。
システムの影響はあるだろう。3-4-2-1の左WBは、サイドハーフと勝手が違う。やはり前者の方が守備の負担が大きく、常に攻撃に絡めるわけではない。三笘の場合は警戒もされやすく、WBでは味方の追い越す動きにも期待はできないため、そもそも仕掛ける状況にない、というケースも多々ある。
一方で、三笘自身に昔ほどの勢いがないのも事実だろう。多少強引に仕掛けても突破できていたが、いまは抜ききれないこともあり、意図的にドリブルをセーブしている印象も受ける。
前述したとおり、プレースタイルの転換期にあるのは間違いなさそうだ。
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