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コラム 2か月前

判断の不的確さが日本サッカーを極端に面白くなくしている。縦に速く対ポゼッション。BoS的な意味のあるサポートを考える【BoS理論(9)】

シリーズ:コラム text by 河岸貴 photo by Getty Images

【動画付き】意味のあるサポートとは…


参照元:Youtube


 栃木Cのフリーキックはシンプルにゴール前に放り込まれますが、琉球が自陣ペナルティエリア内でマイボールにし、すかさず前線にラフなロングボールを供給します。そのボールに反応した琉球FWと栃木CのDFが栃木C陣内に入ったところでもつれます。この激しいデュエルから栃木Cにやや有利にボールがこぼれた瞬間に、後方から駆け上がってきた琉球の選手がボールをかっさらい一気にGKと1対1まで持ち運びます。

 残念ながらゴールにはなりませんでしたが、このラグビーのモールのようなプレーが前線で身体を張ったFWの頑張りを無駄にしませんでした。カウンター時には単騎で駆けていく選手を後ろから傍観するのではなく、攻撃のオプションとなり、このような状況でボールを拾えるよう、保持、非保持で意味のあるサポートをしたいところです。

5 攻撃の完結

 ボール奪取後の攻撃は直線的にリスクをもってゴールに向かい攻撃を完結させることです。もし、きっちりとシュートで終われるならば、相手からのカウンターを受ける心配はありません。非保持時の基本である「Ordnung」(オールドヌング)→「Vorwärtsverteidigen」(フォアヴェアツフェアタイディゲン)の明確なサイクルになるだけです。

 また、より複雑なゲーゲンプレスやBoS的リスクマネジメントは、ボール保持時中には常に意識し準備しておくべきですが、実行には移りません。4と5に関しては拙著『サッカーBoS理論 ボールを中心に考え、ゴールを奪う方法』(カンゼン)の184頁から193頁にわたり具体例と図によって書かれていますので、ぜひ参考にしてください。

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