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コラム 2か月前

判断の不的確さが日本サッカーを極端に面白くなくしている。縦に速く対ポゼッション。BoS的な意味のあるサポートを考える【BoS理論(9)】

シリーズ:コラム text by 河岸貴 photo by Getty Images

最優先プレーとプランB


6 縦に速く(カウンター)対ポゼッション

 以下、まとめになります。ボール奪取後で重要なことは前方を見ることであり、リスクを負うことであり、最大テンポでゴールを目指すことです。ただし、常にそれが実行できる状況とは限りません。もしボール奪取後に縦に速い攻撃が難しい場合(数的に優位ではない、深さのオプションがない、テンポあるドリブルが不可能、奪った場所から相手ゴールが非常に遠いなど)、縦に速くという最優先プレーをキャンセルして、プランBとしてポゼッションを選択し、そこから攻撃に転じます。

 個人的にこの判断の不的確さ(思考態度の問題)が日本で観るサッカーを極端に面白くなくしていると考えています。意図のない速いだけの雑な縦へのパス、または安易でリスクを負わないボール回しがサッカーのダイナミックさを奪い、手に汗握る、息を呑むようなゴール前の攻防を少なくしているのではないでしょうか。この判断を洗練させるためには小学生時代からクリエティブさを磨くトレーニングが必要であり、そしてミスへの寛容さが大事であると考えています。

 以上が「Umschalten」(ウムシャルテン)、非保持から保持のときに念頭に置くべき基本的なプレー態度になります。さて、今回の記事が前回の更新から2カ月も空いてしまったのは、日本に一時帰国をしていたのが大きな理由です。

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