いつの時代にも、若くして才能を見出されて「いずれはサッカー日本代表の中核を担う」と期待される逸材は存在する。だが、実際に国を背負って立つ存在になる選手はほんの一握りであり、大抵は“出世コース”から外れてしまう。今回は、高い期待値がありながらも代表の中心選手になれなかった逸材10人を紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照[3/5ページ]
FW:食野亮太郎(めしの・りょうたろう)

【写真:Getty Images】
生年月日:1998年6月18日
所属クラブ:ガンバ大阪
2025リーグ戦成績:5試合0得点1アシスト
各アンダー世代で抜群の存在感を発揮し、フル代表の主力になることを期待されていたのが食野亮太郎だ。
相手を翻弄するようなドリブルが武器の男は、ユース時代から過ごしたガンバ大阪で試合出場すらままならない状況に追い込まれている。
2016年4月、当時高校3年生の食野はG大阪のトップチームに2種登録された。2017シーズンには正式昇格を果たしている。
身長171cmと決して大柄な体格ではないものの、果敢な仕掛けで相手を抜き去るドリブルは、バルセロナとアルゼンチン代表の英雄を彷彿とさせ、若武者はいつしか“浪速のメッシ”と呼ばれるようになった。
しかし、順調かと思われた食野のキャリアは、2019年8月のマンチェスター・シティ加入から狂いが生じ始める。
移籍直後にスコットランドのハーツへとローン移籍すると、以降もポルトガルのリオ・アヴェやエストリルに貸し出される。
欧州3クラブではこれといったインパクトを残すことができなかった食野は、保有元のマンチェスター・Cではついに1試合もプレーする機会がなかった。
結局、2022年7月には古巣・G大阪への出戻りを余儀なくされる。
Jリーグ復帰後も、食野にかつての輝きは戻っていない。
復帰直後の2023シーズンはJ1リーグで27試合に出場して3得点しか挙げられず、2024シーズンは11試合でノーゴールに終わった。
2025シーズンも出場機会はかなり限定的で、日の丸を背負う存在となるはずだった男はピッチ上から完全に姿を消してしまっている。
現時点で、日本代表の中心に食野が君臨するという未来予想図を描くのは限りなく難しくなっている。