グラスナーの下で選手が成長した例
初陣でこそ勝利を掴んだが、それ以降の5試合で未勝利。それでも第33節リヴァプール戦で勝利してからは、ラスト7試合を6勝1分という圧倒的な強さでシーズンを締めくくった。
移籍市場を経験していない中でもチームを上昇気流に乗せたグラスナーは、現有戦力を最大限に活かすことができる指導者である。
DFマクサンス・ラクロワは「彼は普通の選手を良い選手にすることができる。これが最大のポイントだと思う」と、ヴォルフスブルクとクリスタル・パレスで指導を受ける恩師をこのように評した。
より良い選手へと成長する代表例がストライカーだろう。グラスナーの下で多くのFWが点取り屋としての才能を開花させ、キャリアで最高のパフォーマンスを披露している。
ヴォルフスブルクではヴァウト・ヴェグホルストが2020/21シーズンのブンデスリーガで20ゴール9アシスト、フランクフルトではランダル・コロ・ムアニが2022/23シーズンに15ゴール14アシストと、多くの得点に絡んだ。
クリスタル・パレスでは、上記の2人のストライカー以上にジャン=フィリップ・マテタが飛躍的な成長をみせている。
グラスナーが監督に就任する以前のフランス人FWは公式戦93試合で16ゴール6アシストと、点取り屋としてはやや物足りない結果に終わっていた。
それが就任以後は70試合で34ゴール5アシストと、2試合に1点のペースで得点を量産。今年10月にはフランス代表に初招集された。
これらは決して偶然ではない。「ストライカーの覚醒」には明確な要因がある。