代表チームに名を連ねるということは、ごく一握りの選手に与えられた特権である。各選手は所属クラブでの活躍が評価されて代表に招集されるが、なかにはクラブで素晴らしい成績を収めているにも関わらず、不思議と縁がない選手も存在する。今回は、所属チームで活躍しながらサッカー日本代表にほとんど(もしくは全く)呼ばれなかった選手を10人ピックアップする。※データは『Transfermarkt』を参照。キャップ数はA代表のみ。[4/5ページ]
MF:大谷秀和(おおたに・ひでかず)
生年月日:1984年11月6日
主な所属クラブ:柏レイソル
代表キャップ:0試合0得点0アシスト
日本サッカー界における“バンディエラ”のひとりが、プロキャリアのすべてを柏レイソルに捧げた大谷秀和である。
“ピッチ上の指揮官”は抜群のキャプテンシーでチームをけん引。サッカー日本代表のキャップ数が「0」のまま2022シーズン限りで現役を引退したが、それは大谷の選手としての価値を下げることにはつながらない。
千葉県流山市出身の大谷にとって、柏との関係は中学時代から始まった。
アカデミー加入後にみるみる頭角を現すと、2003シーズンにはトップチームへ昇格。卓越した戦術眼を活かした実用的なプレーによって攻守両面で絶大な影響力を発揮し、Jリーグ屈指のボランチとして人々に知られるようになった。
柏ではネルシーニョや吉田達磨といった名将たちから絶大な信頼を寄せられた大谷だが、先に述べたように日本代表の一員としてピッチに立つ機会は得られなかった。
正確には、2015年7月にEAFF東アジアカップ2015に臨む日本代表の予備登録メンバーに入ったことがあるため、代表選考に全く縁がなかったわけではない。
なお、初めて日本代表候補に選出された時、大谷は30歳になっていた。
2022年10月31日に現役引退を発表した大谷は、2023シーズンから柏でコーチを担当。リカルド・ロドリゲス監督の下で、選手の指導法やマネジメントを学んでいる最中だ。
『日立台』でチームを率いる大谷“監督”の姿が見られる日も、遠くないかもしれない。
